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ラストで差し切りメダルに絡む! カヤックフォア 藤嶋大規選手の2021

2021年1月19日


コロナ禍の影響で延期された、東京2020。選手たちは2021年7月〜8月にかけて予定されている開催に向けて、いま、必至に調整・練習を積み重ねている。男子カヌー競技で、4人で1艇を操るカヤックフォア(500m)に出場する藤嶋大規選手(立命館大学出身、自衛隊)もそのひとりだ。カヌー競技の中で最もスピードが速く、スプリント的性格の強いカヤックフォアで、チームワークの日本チームがメダルを狙う。
(トップ写真提供:自衛隊体育学校)

まさに水上のスプリント。カヤックフォアの魅力とは?

カヤック競技は、一般にそれほど認知されているとはいえないのが現状かもしれない。しかし、男子日本代表の戦いやメンバーを知るほどに、本戦が楽しみになる競技だといえる。
大きな分類では「カヌースプリント」に該当するカヤックフォアは、1艇に4人が乗り、両端にブレードの付いたパドルを左右交互に漕ぎながら艇を前に進める競技だ。東京2020でのレース距離は500m。スタート直後の最高速度は、時速26kmにも達するという。

「時速の数字だけでは速さが伝わらないかもしれませんが、水面を時速20km以上で進む様子はとてもダイナミックで、スピード感もかなりありますね。カヌー・カヤック競技の中では最もスプリントな種目で、陸上に例えれば100mレースに相当する種目ではないでしょうか。
速さはもちろんのこと、4人の選手による息の合ったパドリングにも注目してほしいですね」(藤嶋選手、以下同)

日本は最年長チーム。個人では刃が立たなくても、チームで強さを発揮する

個人競技ではなく、4人で戦うチーム種目だからこその面白さもある。そしてそのチームワークこそが、日本が世界に誇る強みでもあるのだ。

「男子カヤックフォアの日本チームは、平均年齢が世界一なんです(笑)。ただ、周りのほうが若いから速いということではありません。世界の壁は本当に高くて、シングルで戦ったら、それこそ刃が立たないくらいですが、僕たちはずっとチームワークで勝ってきました。
4人で戦えば、個人では勝てない国にも勝てる。陸上でも日本のリレーチームが活躍していますが、日本人の強みでもあるチームワークの力を、僕たちもぜひお見せしたいと思っています」

男子カヤックフォア日本代表(藤嶋選手は一番右)
写真:SportsPressJP/アフロ

藤嶋選手にとって、チームメイトの松下桃太郎選手、水本圭治選手は、高校時代からジュニアナショナルチームで行動を共にしてきた戦友。家族以上に気心が知れた仲でもある。
チームで息を合わせることが勝利の絶対条件だが、チーム内のコミュニケーションに気負いはない。

「レースの様子を見ていただくと、4人のパドル裁きにも目が行くと思います。もしかしたら、見た目には『ちょっとズレてるかな?』と感じるかもしれませんが、“水の中で最も力が出るポイント”が合っていれば、ものすごいパワーが出るんです。
感覚的には本当に『100分の何秒か』という世界ですが、その瞬間をチームで捉えていくことで、世界と戦える速さを発揮できれば
と思っています」

前半250mで食らいつき、ラストに賭ける! カヌースプリントの魅力を伝える結果を

写真提供:自衛隊体育学校

コロナ禍で昨年の開催が延期になった東京2020。大会期間に照準を絞ってきた日本チームだが、むしろ延期をポジティブに捉えているという。

「2019年はワールドカップ、世界選手権と、すべてのレースで本当に調子が良くて、その勢いで五輪のレースに臨めればと思っていました。ただ、冷静になって考えてみると、まだ僕たちの実力ではメダルには絶対に届かないと感じていました。
開催が1年延びたことで練習する時間をもらい、チームをレベルアップする時間が取れたことは、皆プラスに考えています」

あくまでも狙うはメダルだ。上位3位に絡むレースをするために、日本チームはどのような作戦で戦うのだろうか。

日本チームは、前半250mで好位置に付け、ラスト150mのスパートで一気に上位に食い込むという戦い方です。最近は結果も付いてきて、僕たちも自信を持って戦えていますね。
前半の250mで、いかに我慢できるか。相手チームに前に出られても、慌てずに自分たちのレースができるようになったことで、結果につながっていると思います。
また、パドルを漕ぐピッチを抑えながら、高いスピードを保てるようになったことも、練習の成果だと思っています」

世界の壁は高いが、日本チームがいいレースを見せてくれることは間違いない。チームワークの成果を、未来のカヌー・カヤック競技にも生かしていきたいと藤嶋選手は語る。

「リオデジャネイロ大会で、羽根田卓也選手が日本人初のカヌーのメダリストになり、競技自体もすごく注目されるようになりました。今度は自分たちがメダルを取って、カヌースプリントという競技が全国に広がるといいと思っていますし、今カヌーに打ち込んでいる人たちが、もっとオリンピックを意識した練習ができるようになればという思いもあります。
絶対に結果を残して、後輩たちに『日本人もカヌーで活躍できるんだ』という期待を持ってもらえるレースがしたいですね」

2021年の開催については、現時点では未だ不透明なことも多いが、藤嶋選手は「開催に賛否両論があるのは知っているが、日本チームの活躍によって『やはり開催してよかった』と思ってもらえるような大会になれば」と気を引き締める。
ゴール直前、ハナ差で強豪を差し切る、日本チームの戦いを期待しよう。

shiRUto 編集部

教育・研究から得られる知の数々が私たちや社会とどう関わっているのかを、ビジネス、テクノロジー、グローバル、ライフ、スポーツ、カルチャーの6つの視点で取り上げています。世界を、日々の生活をよりよくする、明日のビジネスを考える、新たなイノベーションを起こす、そんなきっかけを生み出すメディアとなることを目指しています。

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