今後30年に70~80%の高確率で起こると予想される南海トラフ地震。2020年1月の地震調査委員会による発表では、東北から九州の沿岸にある71市区町村で「3m以上の津波が襲う確率が26%以上」だという。津波の脅威が改めて強調される今、東日本大震災から教訓を学ぶ重要性はますます高まっている。津波時の適切な「一時避難場所」もその一つだ。
東日本大震災の直後に石巻市(宮城県)で調査を行った研究者によれば、津波に際して少なくない人々が地域の社寺へ逃げ込んだという。しかも調査地域では、12社ある神社のうちでたった2社しか被害を受けなかったことが分かったのだ。