ホエイとは、牛乳から乳脂肪分などを取り除いた後に残る成分を指す。かつては産業廃棄物として扱われ、環境中に垂れ流されていたが、近年それが河川の富栄養化の原因になっていることが指摘され、厳しく規制されるようになった。
一方、ホエイ溶液中には、タンパク質やミネラル成分など多くの栄養分が含まれており、プロテイン商品などを中心に健康補助飲料やサプリメントなどに利用されるようになった。しかし、今のところその量はごくわずかに留まっており、依然として余剰ホエイの利用法の開発が強く望まれている。そこで、立命館大学生命科学部の若山守教授らは、ホエイを原料としたこれまでにない“機能性”を持った新しい「酢」、その名も「ラクトー酢」の開発に取り組んでいる。