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やっぱり京都の大学に行きたい! 古都で学ぶ・暮らすメリットがありすぎた

2025年1月16日


やっぱり京都の大学に行きたい! 古都で学ぶ・暮らすメリットがありすぎた

歴史と文化が息づく街 京都は、古都ならではの風情ある景観に囲まれながら、全国から多くの学生が集まる「学生のまち」としての顔も併せ持つ。世界遺産や文化施設が点在する環境で、時代を超えた学びと日常が自然に交わる学生生活を過ごせるのは大きな魅力といえるだろう。京都市も学生への支援に力を入れており、市の人気施設に100円で入場できるアプリなどを通じて、学生の文化理解の促進を図っている。「京都で学ぶ」とはどういうことか? 学生たちのリアルな声も交えながら、その魅力に迫っていこう。

〈この記事のポイント〉
● 京都の学生専用の超おトクアプリ『KYO-DENT』
● 大学を超えた学生のつながり「大学コンソーシアム京都」
● 京都で学ぶ学生3人が思う「京都のいいところ」
● 学生のまち・京都での経験と価値

京都の学生なら、二条城も京セラ美術館も「100円」!

京都には寺社仏閣を筆頭に、さまざまな文化施設が数え切れないほど存在しているのはご存じの通りだ。特に博物館・ミュージアムや、大学併設の展示施設は数多く、幅広いジャンルの“知”が、そこかしこに拡がる街ともいえる。
京都市では、「学生に文化芸術に親しみやすい環境を提供するとともに、文化芸術活動への参画を通じて地域社会との接点を構築する機会を提供する」という観点から、「京都市キャンパス文化パートナーズ制度」を推進しており、『KYO-DENT』というアプリを通じて、各文化施設の割引などの優待を受けられる。
対象となる学生は、公益財団法人大学コンソーシアム京都に加盟する大学及び短期大学の学生(46大学、約17万人)であり、大部分の学生をカバーしているといっていいだろう。

京都で学ぶ学生用のアプリ『KYO-DENT』
京都で学ぶ学生用のアプリ『KYO-DENT』

ちなみに、『KYO-DENT』を活用して100円で入場できる施設には、京都市動物園、元離宮二条城、京都市京セラ美術館(コレクション展)、無鄰菴、岩倉具視幽棲旧宅、旧三井家下鴨別邸、京都伝統産業ミュージアムなど、人気スポットがずらり。
そのほか、大学ミュージアムや、京都国際マンガミュージアム、京都鉄道博物館、東映太秦映画村などもおトクな割引きや特典がある。

学生のまち・京都 を象徴するアプリの運営協議会に学生委員として参加

京都での充実した学生生活を送るためのアプリ『KYO-DENT』だが、実はこのアプリ自体も、京都で学ぶ大学生たちが開発に携わり、学生ならではの視点やアイデアが盛り込まれている。今も学生の意見を取り入れるため、学生がアプリの運営協議会に委員として参加。学生向け情報の一つとして京都学生広報部のウェブサイト「コトカレ」の記事もアプリで配信されている。
京都学生広報部は、京都市と大学、産業界を中心とした産学公の連携により発足した「大学コンソーシアム京都」による取り組みのひとつ。京都で学ぶ大学生が「リアルな京都の魅力」を学生目線で全国の中高生に発信することを使命としている。

学生のまち・京都 を象徴するアプリの運営協議会に学生委員として参加
京都学生広報部で活動する、吉田玲音さん(左)、井上日菜里さん(中央)、山岡莉奈さん(右)

ここからは、京都学生広報部で活動する立命館大学の3人に活動内容や、京都での生活について聞いていこう。
2023年度は広報部の全体リーダーを務めたという吉田さんは、大阪の出身。立命館大学 文学部日本語情報学科の4回生だ。

「広報部に入ったきっかけは、以前リーダーをやっていた方から声をかけてもらったことでした。自分が学ぶ京都にはもちろん興味がありましたし、普通ではできない経験ができそうな期待がありました。学生主導のイベントの企画や運営、ミーティングの取りまとめなどを行ってきました。
思い出深いのは、吉本興業とのコラボレーションイベントや、平安神宮のPRイベントを主催したことです。同じ大学に通う仲間だけでなく、大学を越えたつながりを生み出す場を作れたことは、大きなやりがいになりました」(吉田さん)

立命館大学 文学部(人文学科)日本語情報学専攻4回生 吉田玲音さん
立命館大学 文学部(人文学科)日本語情報学専攻4回生 吉田玲音さん

他校の学生と交流できる機会の多さは、まさに“学生のまち”京都ならではといえるだろう。

「学生同士のつながりが広いのがうらやましい」と言われる

立命館大学 法学部法学科3回生の山岡莉奈さんは、広島県出身。「京都らしいことがやりたい」と、広報部に参加することを決めたという。

「大学2回生までサークル活動を何もしていなかったのですが、スマホに入れていた『KYO-DENT』アプリで広報部のことを知り、参加しました。
大学進学のときにも、『京都に行きたい』という気持ちが先にあったくらい、京都という街に魅力を感じていたんです。実際に住んでみると、伝統を残しながら時代に合わせて変化している街の様子を肌で感じることができ、私にとっては本当に落ち着く空間が多いですね。
地元の広島は、観光地や遊ぶスポットが特定のエリアに集中していますが、京都は市内全域にまんべんなくスポットが点在していて、3年間住んでいても飽きることがありません。

立命館大学 法学部法学科3回生 山岡莉奈さん
立命館大学 法学部法学科3回生 山岡莉奈さん

旅行で京都にくる友人を案内することがありますが、広報部で京都のいろんな情報を知れたことで、“喜ばれる案内”ができるようになりました(笑)。広報部のことを話すと、『京都は学生同士のつながりが広いのがうらやましい』といわれたことがあります。
京都は学生が本当に多い環境なので、さまざまな場所で自然とつながりが広がることは、京都で学ぶ魅力だと感じています」(山岡さん)

学生が多い街はほかにもあるが、「京都で学んでいる」というアイデンティティは、他の街と比較しても強固なものがあるのではないだろうか。街に漂う“文化”の空気は、意識せずとも学生たちに日々浸透していくのかもしれない。

“発信すること”に囲まれた京都で、メディアへの理解を深める

立命館大学 産業社会学部現代社会学科4回生の井上日菜里さんは広報部で、アプリ『KYO-DENT』の運営協議会の委員として活動してきた。

立命館大学 産業社会学部現代社会学科4回生 井上日菜里さん
立命館大学 産業社会学部現代社会学科4回生 井上日菜里さん

「私は『メディアについて学びたい』という思いから、産業社会学部でメディア専攻を選択しています。広報部での活動は、まさに学生に向けたメディアを運用することです。例えば『広告論』の理論を実践したらどんな効果が得られるのかなど、大学で学んだことを実際に試すことができたのは、貴重な体験でした」(井上さん)

まさに関心分野と広報部の活動が一致している井上さんだが、メディアというテーマで実践的な学びを得るという意味で、京都ほどふさわしい場所はないかもしれない。文化施設は言い換えればコンテンツそのものであり、世界からさまざまな価値観を持つ人びとが集まってくる。メディアはそれを“媒介する”ものであるのだから。

「私は立命館大学の近くに住んでいますが、徒歩圏内だけでも有名な寺社仏閣がたくさんあります。もともとは歴史にそれほど興味をもっていたわけではありませんが、京都に来てから歴史的なものにも興味が広がりました。ミュージカルが好きなのですが、その興味が歌舞伎や能にも広がったのは、京都という場所にいたからだと思います」(井上さん)

奇しくも、今回登場してくれた3人はコロナ禍の影響がまだ強い中で大学に進学した世代だ。さまざまなコミュニケーションが「オンライン化」した期間を経て、広報部での「リアルな活動」にたどり着いた。
大学生だけでなく、大学院生も含めてたくさんの人たちと一緒に企画を考えたり、話し合ったりする機会が増えました。この経験は広報部でなければできなかったことですし、自分の成長にも大きな影響を与えてくれたと思います」(井上さん)というように、学生同士のリアルで自発的なコミュニケーションが生まれる場は、学生たちのさらなる成長を促し、彼らのキャリアにもポジティブな影響を与えている。
「京都で学ぶ」とはどういうことか? 3人の発言からその多様な価値が伝わってくる。

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